第27回オルターナティブ研究会

志民社会学習会「トランスナショナルに生きるとは?」

日時:2016年3月12日(土)午後2時〜5時

場所:西南コミュニティセンター(西南学院大学キャンパスの最東南側)2階会議室

〒814−8511 福岡市早良区西新6丁目2−92

電話092-823-3952 (地下鉄西新駅3番出口から海側に徒歩数分)

テーマ:在日朝鮮人と「国境をまたぐ生活圏」をめぐって

———トランスナショナルに生きるとは?———

講師:小林知子さん(こばやしともこ、福岡教育大学教授)

津田塾大学大学院国際関係学研究科博士後期課程単位取得。現在、福岡教育大学国際共生教育講座教授(専門 国際関係学/近現代東アジア国際関係史、コリアン・スタディズ)。ここ10数年は、日韓共同での高校歴史教材作成の研究活動や、「南北コリアと福岡のともだち展」という児童画交流展活動も行なわれています。主要論文として、「戦後における在日朝鮮人と『祖国』−朝鮮戦争期を中心に」(『朝鮮史研究会論文集』第34集、1996年)「未済の帝国解体 −在日朝鮮人の戦後」(『岩波講座 アジア・太平洋戦争』第4巻、岩波書店、2006年)、「在日朝鮮人の『帰国』と『定住』」(『岩波講座 東アジア近現代通史』第7巻、岩波書店、2011年)など。

報告要旨:

戦後70年 を経ても、日本と大韓民国との「過去の清算」は今なお大きな課題としてあり、朝鮮民主主義人民共和国との関係にいたっては、未だに国交正常化さえおこなわ れていません。さらに、朝鮮半島における南北分断の現実は、平和と人権が保障される東アジア地域社会を構築するうえで、大きな不安定要因となっています。 戦後もなお、日本に在住してきた朝鮮半島出身の人々(在日朝鮮人)の生活は、こうした、いわば継続する植民地主義や朝鮮分断に起因する圧力の下にあると いっても、過言ではありません。

在日朝鮮人の日本での定住意識は深まり、また、世代も重ねています。その民族意識の「多様化」が語られて久しく、日本の地域社会の一員としての在日朝鮮人 との「共生」が模索されてきました。とはいえ、「ヘイトスピーチ」に象徴されるような、日本の排外主義の現実をあらためて想起したとき、在日朝鮮人をめぐ る問題は、「多様化」を前提とし、日本のマイノリティ問題と捉えれば、こと足りるものなのでしょうか。

報告では、在日朝鮮人の民族教育の現状をふまえたうえで、在日朝鮮人の民族的諸権利が戦後いかに管理・統制されていったのかを概観します。と同時に、在日 朝鮮人が暮らしやすい社会をつくることは、どういう可能性を広げるのかを、東アジア地域社会の変革を展望しながら、ともに考えてみたいと思います。

参考文献 「在日朝鮮人の『多様化』の一背景 『民族』・『祖国』・『生活』をめぐって」(『国際社会』第6巻、東京大学出版会、2002年)、「朝鮮戦争下における在日朝鮮人の同時代史認識と東アジア史」(『歴史学研究』第908号、2013年)、陳天爾との共編著『東アジアのディアスポラ』(明石書店、2011年)

参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加できます)。

終了後、近くの居酒屋で講師を囲む懇親会を予定しています。

資料準備の都合上、参加を希望される方は事前にご連絡頂くようお願いします。

オルタ27