志民社会学習会 ~第38回オルターナティブ研究会

人間のアイデンティティとはなんだろうかーーー「ハーフ・ブリード」のヴィジョン

日時:2018年6月30日(土) 午後2時〜5時

場所:西南コミュニティセンター2階会議室(西南学院大学キャンパスの最東南側)

〒814−8511 福岡市早良区西新6丁目2−92

電話:092−823−3952(地下鉄西新駅3番出口、徒歩数分)

テーマ:混合体としての<アメリカス>へ  ──『ハーフ・ブリード』刊行に寄せて

講師:今福龍太さん(東京外国語大学大学院教授、文化人類学者、文化批評)

1955年東京生まれ。1982年よりメキシコ、キューバ、ブラジルなどで人類学的調査に従事。現在、東京外語大学大学院教授として群島論、新世紀知性論、時間形象論等を講ずる。ブラジル、サンパウロ・カトリック大学で客員教授も務める。キャンパスの外に新たな遊動的な学びの場の創造を求め、2002年より巡礼型の野外学舎「奄美自由大学」を主宰。主な著書に『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』『ジェロニモたちの方舟』(以上、岩波書店)『レヴィ=ストロース 夜と音楽』(みすず書房)、『書物変身譚』(新潮社)、『私たちは難破者である』(河出書房新社)など。近著に『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(読売文学賞、みすず書房)、『ハーフ・ブリード』(河出書房新社)、主著である『クレオール主義』『群島-世界論』を含む『今福龍太コレクション《パルティータ》』(全五巻、水声社)など。最新刊は『ブラジル映画史講義』(現代企画室)。

報告要旨:

越境者たち、混血たちによって創られる〈アメリカ〉は、いまだに未知の大地です。それを〈アメリカス〉と複数形で呼び直してみたとき、グローバリゼーションの見かけのもとでの均質化した「アメリカ」のイメージは消え去ります。とりわけ国境の川や壁を越えて歴史的に往き来してきたメキシコ人たちの側から眺めたとき、〈アメリカス〉は特別の豊かさと文化的陰影をもって私たちに真の姿を開示します。そのような豊饒な混合体を前に、狭量な「アメリカ国家」はいま何を抑圧し、排除しようとしているのでしょうか?

分断と不寛容と排外主義によって世界が急速に再編されようとするなか、いまこそ〈混血〉(ハーフ・ブリード)の包容力を持ったヴィジョンに立つあらたな世直しが求められています。灼熱の太陽が降りそそぐ高原の民(メヒカーノ)と、バラ色にかがやく砂漠の民(チカーノ)のあいだを往還してきた人類学者が、35年前のメキシコとの邂逅に始まる半自伝的著作『ハーフ・ブリード』(河出書房新社、2017)の刊行を機に、混合体としての世界の未来の可能性を熱く語ります。

参考文献:今福龍太『ハーフ・ブリード』河出書房新社、2017。

参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加可能)。

終了後、近くの居酒屋で講師を囲む懇親会を予定しています。当日受付。

主催:福岡オルターナティブ研究会、FNA(ADB福岡NGOフォーラム)

連絡先:fna@minos.ocn.ne.jpまたはFax:092-920-1873

資料準備の都合上、参加を希望される方は事前にご連絡いただくようお願いします。

オルタ38チラシ