第37回福岡オルターナティブ研究会のご案内

志民社会学習会

戦時女性の人権を考えるーーー「慰安婦」問題とは何か?

日時:2018年4月7日(土) 午後2時〜5時

場所:西南コミュニティセンター2階会議室(西南学院大学キャンパスの最東南側)

〒814−8511 福岡市早良区西新6丁目2−92

電話:092−823−3952(地下鉄西新駅3番出口、徒歩数分)

テーマ:「慰安婦」問題の宿痾:インドネシアでの調査・研究を踏まえて

講師:木村公一さん(福岡国際キリスト教会牧師、西南学院大学、福岡大学非常勤講師、神学)

東京神学大学、西南学院大学で学んだ後、インド留学を経て、Asian Baptist Graduate Theological Seminary (フィリピン・バギオ)にて神学博士号取得。インドネシア・バプテスト神学大学にて神学教授(1986−2002年)を務めていた折、インドネシアの慰安婦問題に出会う。その後帰国して、現職。他にもキリスト者政治連盟常任委員、九条の会福岡県連絡会世話人、日韓反核平和連帯共同代表も務める。著作に、『人間の盾』新教出版社2003年、 『インドネシア教会の宣教と神学』新教出版社2004年、 Momoye: Mereka Memanggilku〔インドネシア語:「モモエ、彼らはわたしをそう呼んだ」〕(Esensi 2006)、『原発はもう手放しましょう』いのちのことば社2015年がある。

報告要旨:女性や子どもたちに対する戦時下の強姦とは征服者の勝利の度合いを測る物差しになっただけでなく、任務を果たしたことへの「略奪品」による報酬でもあった。しかし、これを自明の理として片付けてはならない。近代戦争史において、侵略地の女性に対する戦時性奴隷制を国家的に組織化したのは、わたしの知る限り、日本とドイツであった。戦時下の強姦を根絶する道は実に単純なこと、国に交戦権を放棄させることだ。

  • 日本の南侵(植民地支配)と「慰安婦」問題
  • インドネシアの「慰安所」施設の諸形態
  • インドネシアの「慰安所」における人権侵害状況(被害者たちの証言から)
  • BC級バタビア裁判・オランダ人少女たちを性奴隷にした「スマラン事件」
  • 中曽根康弘およびスカルノらの「慰安婦」観に対する根本批判

下記の歴史観とその主張は本当に正しいのか。私たちはいかに考え批判すべきか。

  • 「慰安婦問題は戦争をしているどこの国にもあった」(籾井勝人・元NHK会長)
  • 「公的資料の中には、強制連行を直接示す記述はない」(内閣外政審議室長の国会答弁・読売新聞97年3月18日)
  • 「戦前の日本に定着していた公娼制度の戦地版と位置づけるべきだ」(秦郁彦)
  • 「韓国側の再交渉の要求は『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した合意の趣旨に反する。到底容認できない。」(読売社説18/1/10)
  • 「慰安婦像設置や集会は、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に違反している。」(産経新聞17/9/28)

参考文献:

  • 木村公一「インドネシアにおける皇軍慰安婦:トゥミナさんのこと」『福音と世界』(1992年11月号48-53)
  • 吉見義明『従軍慰安婦』(岩波文庫1995)
  • 川田文子『インドネシアの「慰安婦」』(明石書店 1997)
  • 木村公一「インドネシア」『世界』(岩波書店)2000年12月号 特集・戦時性暴力/各国の「慰安婦」被害・年表・裁判(p.122-3)
  • 木村公一「インドネシア『慰安婦』問題」『日本軍性奴隷制を裁く 2000年女性国際戦犯法廷の記録』4巻(緑風出版 2000)第4章(296-313)
  • 『BC級バタビア裁判・スマラン事件資料集』編集・発行:強制動員真相究明ネットワーク(2014)

参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加可能)。

終了後、近くの居酒屋で講師を囲む懇親会を予定しています。

主催:福岡オルターナティブ研究会 FNA(ADB福岡NGOフォーラム)

資料準備の都合上、参加を希望される方は事前にご連絡いただくようお願いします。

オルタ37チラシ