第40回福岡オルターナティブ研究会 ~志民社会学習会~

『進歩』って何?―――「ポラニー、玉野井芳郎、イリイチ」の世界―――

日時:2019年2月9日(土) 午後2時〜5時

場所:西南コミュニティセンター2階会議室(西南学院大学キャンパスの最東南側)

〒814−8511 福岡市早良区西新6丁目2−92

電話:092−823−3952(地下鉄西新駅3番出口、徒歩数分)

テーマ:壁のない監獄と現代の貧困:I.イリイチがポラニーから受け継いだ視点を手がかりに

講師:中山智香子さん(東京外国語大学大学院教授、経済思想史)

1964年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。ウィーン大学(社会・経済学)博士。専門は経済思想・社会思想。現職は東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授(グローバル・スタディーズ)。著書に『経済ジェノサイド−−−フリードマンと世界経済の半世紀−−−』平凡社新書、『経済戦争の理論———大戦間期ウィーンとゲーム理論』(勁草書房)、『アルジャジ−ラとメディアの壁』(共著、岩波書店)、訳書にG.アリギ『北京のアダム・スミスーーー21世紀の諸系譜』(共訳、作品社)などがある。

報告要旨:2016年10月にソウルで開催された国際ポラニー会議で、経済学者の故・玉野井芳郎(1918-1985)に関するセッションを組み、「ポラニーの思想のエコロジー的潜勢力の考察:ポラニーの後継者としてのイリイチと玉野井」という報告を行ってきた。これは同年の夏に貴研究会に伺った後、今福先生とともに玉野井の生地、山口県柳井市を訪れ、その後周防大島にて玉野井に関する小さなセミナーを行った機会に端を発している。玉野井は1970年代から1980年代なかばにかけて、経済学説史、比較経済論を経てエコノミーとエコロジー、生命系のエコノミーへと体系を拡大した特異な経済学者であったが、カール・ポラニーの経済思想を日本に導入し、イヴァン・イリイチとは晩年に深く交流した。昨年のソウル・セッションでは、とりわけイリイチに照準した発表を行った。本報告ではそのエッセンスを報告したい。それは端的にいえば、イリイチがポラニーの『大転換』(1944)の「暮らし対進歩 habitation vs progress」という対立軸を踏まえて展開した考え方を、時代の文脈に置いて考察することである。

参考文献:I.イリイチ『(新版)生きる思想:反=教育/技術/生命』(藤原書店、1999年)、『シャドー・ワーク:生活のあり方を問う』(岩波文庫、2006年)、中山智香子「平和を脅かすものに抗うために」(外語大9条の会会報第30号、2017年12月)、多木陽介『(不)可視の監獄』(水声社、2016年)。

参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加できます)。

終了後、近くの居酒屋 (「じゃがいも弐番館」)で講師を囲む懇親会を予定しています。

主催:福岡オルターナティブ研究会 FNA(エフナ・ADB福岡NGOフォーラム)

連絡先:fna@minos.ocn.ne.jpまたはFax:092-920-1873

資料準備の都合上、参加を希望される方は事前にご連絡ください。

今回の研究会は昨年9月に予定されていたものが台風襲来により急遽中止・延期されたため、改めて開催となりました。

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