第28回福岡オルターナティブ研究会の御案内

志民社会学習会 我々は何をめざすのか?

日時:2016年4月17日(日)午後2〜5時

場所:西南コミュニティセンター(西南学院大学キャンパスの最東南側) 2階会議室

〒814−8511 福岡市早良区西新6丁目2−92  電話092-823-3952

(地下鉄西新駅3番出口から海側に徒歩数分)

テーマ: 「世俗革命」の再建に向けて

ー資本、国家、神を葬れなかった「(ポスト)近代」の革命の教訓とはー

講師:小倉利丸さん(おぐらとしまる、富山大学名誉教授、ピープルズ・プラン 研究所共同代表)      東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。富山大学経済学部で政治 経済学、現代資本主義論など、2015年に定年退職。現在、富山大学名誉教授。 ピープルズ・プラン研究所共同代表。

著書として、『働く/働かない/フェミニズム:家事労働と賃労働の呪縛?!』(共編)1991年 青弓社、 『搾取される身体性―労働神話からの離脱』 1998年 青弓社、 『多様性の全体主義、民主主義の残酷』 2005年 インパクト出版会、 『グローバル化と監視警察国家への抵抗―戦時電子政府の検証と批判』 2005年 樹花舎、 『抵抗の主体とその思想』 2010年インパクト出版会など多数。

ブログ http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/

ウィキペディアに小倉利丸さんの紹介が載っています。

報告要旨:  20世紀末のポスト冷戦は資本主義的(新自由主義的)グローバリゼーションの 勝利とはならず、反グローバリゼーション運動の高揚もまた「宗教的原理主義」 の反動にみまわれているようにみえる。1990年代のように、オルタナティブ= 左派からの資本主義に代替する社会という等式は現在では通用しなくなっている。

いわゆる宗教原理主義的なオルタナティブや移民・難民を排除する排外主義的 なオルタナティブが具体的な力を持ちはじめる一方で、かつてマルチチュードの モデルとされた移民もまた、世俗的な変革よりも「イスラム国」に象徴されるよ うな「近代国家を超える国家」への憧憬が勝るような現象が生まれているように 見える。

私は、「宗教的原理主義」の背景には、世俗的な変革へのある種の失望がある と思う。「神」の復権とでも言いうる事態が、民衆運動の新しい力として登場し ているようにすら見える。いわゆる「イスラム原理主義」だけではなく、米国の ティーパーティからトランプ現象に至る極右共和主義、ロシアから東欧に至る排 外主義的なキリスト教、インドのヒンズー原理主義、言うまでもなくこの国のナ ショナリズムと極右政権、徐々に侵食されつつあるラテンアメリカの左派の行き 詰まりなど、様々な地域と国で見出される「超越的な存在」の大衆的な復興を支 える心情に対して、世俗革命の再建をどのように構想すべきなのか、私に確たる 「答え」があるわけではない。むしろ、わたし自身が直面している戸惑いと答え を見出しがたいと感じている問題を提起しながら、参加された皆さんと、この難 問への答えを模索してみたい。

参考文献: 1「グローバル資本主義の次にくるもの」『インパクション』186号 2012年 2「「愛」と「成長」のダークサイドあるいは夢想家になることの必要」『季刊 ピープルズプラン』53号 2011年

参加費:無料(会の趣旨に共感される方はどなたでも参加できます)。

終了後、近くの居酒屋で講師を囲む懇親会を予定しています。

主催:福岡オルターナティブ研究会

共催:FNA(エフナ・アジア開発銀行福岡NGOフォーラム)

お申込み・お問い合わせはFNA(エフナ)へどうぞ。

Eメール:fna@minos.ocn.ne.jp

オルタ28